このような悩みにお答えする記事となっています。
ぼくは元楽器店スタッフで、沢山の方にギターやベースなどの楽器を販売してきました。
もちろん初心者も上級者も問わずです。
ぼく自身ギターを演奏することが趣味で、安いギターから一級品まで使用した経験があります。
その経験を活かし、本記事では今までのエレキギター使用歴と元楽器店スタッフとしてアドバイスできる、安いギターを購入するときの注意するべきポイントをお伝えしたいと思います。
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安いギターを買う前の注意ポイントとは?元楽器店スタッフが解説!
安いギターは当たりハズレが多く、大半の場合はハズレである可能性が高いです。
安いギターの注意点① ネックが痩せやすい
日本はギターにとって優しい環境とは言えない環境です。
そのため、安いギターであればあるほどその影響は受けやすくなってしまいます。
その影響のひとつとして、ネックが痩せやすいことが大きなデメリットになってきます。
ネックが痩せるとは、左手で弦をおさえる部分の木が購入したときよりも細くなってしまうことです。
するとどうなるか。
ネックが痩せても、フレットと呼ばれる銀の縦軸は金属で出来ているので、痩せたネックと差ができてしまって外側に飛び出すようになってしまいます。
こうなってしまった場合、飛び出してしまったフレットをヤスリで削らなければいけないのですが、工賃も数千円かかりますし、何より購入したギターがそのような状態になってしまうとモチベーションが下がってしまいます。
また、フレットが外側に飛び出すということは練習にも影響がでるということになりまして、痛くて弾けたものではなくなってしまいます。
安いギターの注意点② 音作りがしにくい
安いギターは音作りがとてもしづらい事が多いです。
初心者だから音作りもなにもないと思うかもしれませんが、これは上達するためにとても重要なことになります。
エレキギターを購入しようと思っている場合は、何かしらYouTubeなどで映像を見たりして『欲しい』と思ったのだと予想していますが、ギターを購入すると同じような音が出せると思って夢を持って購入しますよね。
ただ、安いギターでその音を出すことはほとんど不可能であるといえます。
ポイントは2つ
- ピックアップ(マイク)も安いため、細い音になってしまう
- セットのアンプだと低出力で、音の再現度が低くなる
弦の振動をマイクで拾ってスピーカーから音を出すという仕組みになっているので、安いギターやアンプだと再現するのに限界があるわけなんですね。
そのため、せっかく買うのなら練習を頑張ってもらいたい、せっかく購入するのだからうまくなりたいという気持ちなら、安いギターはオススメ出来ません。
安いギターの注意点③ 数万円追加で、年単位で使えるギターが買える
安いギターは、値段帯が3万円ほどのギターと考えていただいて良いかと思います。
これはセットの価格であっても、単体の価格のものであっても変わりなくです。
楽器を検品するときに感じたのは、3万・5万・10万・15万・20万・30万・50万の刻みでギターの質が変わってくるということです。
ぼくが初心者の方にギターを販売していたときは、皆さん最初に3万円程のギターセットを試奏される場合が多かったのですが、必ず数万円高いギターも一緒に弾いてもらっていました。
予算的に厳しいという方の場合はそのまま初心者セットを購入される方もいましたが、初心者が弾いても5万円のギターのほうが弾きやすいということは分かるレベルで違います。
損をしたくない気持ちが強い人は、5万円のギターを購入されるパターンが多かったです。
安いギターの注意点④ ブランドで安いと分かる
安いギターのブランドはギターを演奏する人から見るとすぐに分かってしまいます。
もし、初心者用のギターメーカーだと言うことを知られたくなかったり、YouTubeで後々弾いてみたを投稿してみたいと思っているなら、安いギターのメーカーだと見劣りしてしまう可能性が出てきます。
ぼくは正直ブランドでギター演奏の価値が決まるものではないと思っていますが、一般的な見方としては安いギターのメーカーではないほうが目を引く可能性が高いでしょう。
バンドをやってみようと思っている場合も同様で、楽器演奏者じゃない人にとってはどれも同じに見えますが、演奏者側から見るとパット見たらわかってしまいます。
そういった部分で嫌な思いをしたくない場合は、安い価格帯のギターメーカーではないギターを購入されたほうがよいと思います。
安いギターの注意点⑤ セット品は不要なものが多い
初心者用のギターを購入する場合、初心者セットを購入視野に入れる場合が多いと思いますが、実際のところ初心者セットはおすすめできません。
なぜなら、必要なものは確かに揃っているのですが、逆にいらないものも多くあります。
例えばこちらの商品を例にしてみるとよく分かるのですが、初心者として必要なものは20点の中の10点です。
- ギター
- ソフトケース
- アンプ
- ピック
- 予備弦
- シールド
- 教則本
- チューナー
- クロス
- ポリッシュ
ピックは、数種類のピックを購入して自分で弾きやすいと思ったピックを使用するのが一番ですし、教則DVDよりもYouTubeを見たほうがわかりやすい動画が多いです。
接点復活剤となるポイントクリーナーなども初心者のうちから使用できると思えませんし、付属の弦はまともな音がならない弦が殆どなので、安さにつられて不要なものまで購入してしまっている事になってしまいます。
そのため、最低限必要なものを購入して練習に励むことが一番だと現役のときにもお客様に伝えていて、納得される方が多かったです。
安いギターの注意点⑥ 初心者から抜けたときに買い換える可能性大
安いギターで練習をして、数ヶ月~数年経つと必ず欲しいギターが新しく出てきます。
これは、ぼくも初心者のときに経験したことなのですが、トータル的に見ると損をしてしまっているのです。
安いギターを購入した場合 | 新しいギターが欲しくなって、5万円のギターを買う | 合計:8万円~ |
最初から5万円以上のギターを購入した場合 | 新しいギターが欲しくなってもある程度我慢できる | 合計:5万円 |
こう見ると、最初から5万円のギターを購入しておいたほうが、長い目で見ると損をしないことがわかりますね。
安いギターを購入して後々8万円のギター購入代金が発生するなら、最初から10万円のギターを使用したほうが明らかに上達速度は上昇します。
また、使用できる年数も3年~5年は飽きずに使用できると思うので、コスパ的にも良いです。
賢い買い物をするなら安いギターよりも、ある程度先にお金をつかって長く使えるギターを購入したほうが良いでしょう。
安いギターの注意点⑦ 演奏がしづらく上達が遅くなる
ここまで何回かお伝えしましたが、安いギターの場合は演奏がしづらく、本来の上達速度を妨げてしまう可能性が高いです。
ある程度値段のするギターは、演奏者が演奏しやすいように工夫をこらした作りとなっています。
しかし、安いギターの場合はエントリーモデルとなるので、『とりあえず入門用として弾くギター』として生産されている場合がほとんどです。
結果的に演奏がしづらく、本来演奏のセンスがあったとしてもその妨げとなってしまうので、上達するのに余計な時間を費やしてしまう可能性があります。
こういったリスクも楽器屋さんでは教えてくれないので、覚えておくと良いでしょう。
安いギターの注意点⑧ 価格は安いが不具合も多い
安いギターということは、それなりに作りもあまいというお話はしましたが、それは外見だけではありません。
エレキギターの場合は、ギターの中に配線が仕込まれていて、主に電気信号を伝達するためのコードが沢山はんだ付けされています。
パーツ類も安いものが使用されているので、コード(シールドといいます)を挿すところが何回締めても緩んできてしまったり、断線してしまってアンプから『バリバリっ!ガーガー!』という音が出たりと内部パーツで不具合が発生しやすいのも特徴です。
これらの不具合が起きてくると楽器屋さんで修理や交換をしてもらうことになるのですが、1,000円~数千円する場合がありますし、治してもらったとしてもまた再発する場合が多いのが現実です。
(※根が安いので、修理しても再発する可能性が必然的に高くなります。)
そのため、本来発生しづらいお金も発生してきてしまうため、今後修理を何回も繰り返すなら新しいギターを購入しようと思って初めて
ということに気がつくのですね。
『安いギターの注意点⑥ 初心者から抜けたときに買い換える可能性大』でお伝えした内容がこの延長線上にあります。
安いギターの注意点⑨ チューニングが安定しない場合がある
ギターという楽器は正しく安定したチューニングじゃないと音感が養われなかったり、練習する曲と音が合わなくて違和感が出てきたりします。
上達する上でも良くないことで、正しく安定したチューニング(ピアノで言う調律)で演奏しないと、音を聞き取れずに上達に支障が出てきます。
しっかりとチューニングできていないまま気が付かないで練習を続けてしまうと、自分のギターの音が他の楽器と調整が取れていないということに気が付かなくなってしまうというリスクもあるので、注意が必要です。
エレキギターは弦を上に持ち上げて音を1音上げるテクニックや、コードと呼ばれる和音を演奏する場面など、音に変化を加える事と隣合わせの楽器です。
そのため、正しくチューニングできないギターで演奏してしまうと、適当な演奏者となってしまうので安いギターはおすすめ出来ません。
安いギターの注意点⑩ 購入時に調整されていない場合が多い
安いギターの場合は、高額なギターに比べると価値が低いため、楽器店のスタッフもそこまで力を入れてメンテナンスをしていない場合があります。
ぼくがスタッフをしていたときは、せっかくギターを購入するのに嫌な思いをしてほしくなくて、3日に1回は楽器のメンテナンスを行っていました。
しかし、ギターを販売物としか見ていないスタッフがいるのも現実で、高価なギターはメンテナンスしない状態で長期間売れないとお店的に困ってしまうので、しっかりとメンテナンスを行なうのに対して、安いギターはネックの反りだけの確認で済ませてしまっている場合もあります。
ちなみにネックが反ると、このような状態になってしまうので、音が詰まったり、弦を抑えるのに力を必要とするような状況になってしまいます。
調整に慣れていればなんてこと無いのですが、初心者がネックの調整を間違ってしまうと元に戻せなくなってしまう可能性があるので、自分で調整するのは現実的ではありません。
そのため、楽器屋さんに持っていって調整してもらうことになりますが、これも1,000円~数千円かかってくると思います。
ネックは変動しやすい部分で、安いギターであるほどその変化は顕著です。
他にもペグという糸巻きがあるのですが、そこのネジの緩みや、電機信号系統のメンテナンスもしなければいけないのですが、やっていない可能性が極めて高いでしょう。
価値が安いギターは楽器店にとっても管理コストがかからず売りやすいので、しっかりメンテナンスしているお店は少ないと思います。
ぼくがオススメするギター&関連商品
安いギターを購入するときにどんなリスクが伴ってくるかは、ここまででおわかりいただけたかと思います。
安いギターでなくても、できるだけ購入金額を安く済ませたいあなたにオススメのギターや関連商品をいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。
おすすめのエレキギター
YAMAHA - PACIFICA212VQM
パシフィカは音のバランスがとても取れているギターで、演奏性も悪くないので、安めの中ではトップクラスだと思います。
はじめの一本には良いギターです。
Paul Reed Smith SE - Custom 24 Blue Matteo
PRSの廉価モデルのPRS SEです。
廉価という位置づけとは思えないくらいのクオリティで、10万円オーバーのギターと比較しても引けを取らない音と演奏性を兼ね備えています。
Fender Japan - Traditional 60s Telecaster Custom
ギターメーカーの王様Fenderのギターです。
テレキャスターはジャンルを問わず演奏できる優れたギターで、昔から愛されているギターです。
しかし、メタル等のヘヴィ系のジャンルは苦手な一面があるので、オールマイティにこなしたい場合はPRS SEが良いと思います。
おすすめのギター弦
アーニーボール Reguler Slinky 10-46
D'Addario EXL110
Elixir 19052 [10-46]
アーニーボールとダダリオのギター弦は、両方買ってみてどちらが自分にあうか試したほうが良いと思います。
エレキギター弦の2大巨頭のメーカーですが、好みが分かれるので、実際に使用して音の感じを確認してみてください。
エリクサーのエレキギター弦はアーニーボールやダダリオと比べて3倍~7倍の寿命を持っている弦で、錆びづらいので2ヶ月位は張りっぱなしても錆びることがありません。
おすすめのギターアンプ
YAMAHA THR5
YAMAHAのTHR5は場所を取らずに、多彩な音を作れる優秀なアンプです。
これ1台で好みの音を作成できるので、エフェクターなどを買わなくても暫くの間は沢山の音を作って楽しめると思います。
BOSS KATANA AMP
エフェクターメーカーの巨匠BOSSのKATANA AMP MINIです。
このサイズと値段からは考えられないほど良質な音がなるので、あまりスペースを取らずに良い音を楽しみたい場合には最適なギターアンプで、値段もお手頃。
Marshall CODE25
アンプ会の巨匠Marshallのギターアンプです。
沢山のアーティストに愛されているだけあって、音は最高。
しかし、このアンプに関しては、音は良いのですが設定項目が多くあるので、説明書を読んで使いこなす必要がある部分がデメリットとなります。
ピックやシールドなどの消耗品
ピックや消耗品は、これらを使っておけば間違いなく長く使えて、自分のこだわりが出てくるまで困らないだろうという商品をまとめてみました。
カナレ - G03
耐久性抜群のシールドで、初級者から上級者まで愛されているロングセラーシールドです。
JIM DUNLO - Tortex Pitch Black .88mm
一番オールマイティに使えるピックです。
厚さも程よく、どんなジャンルを演奏するにも適応することが出来ます。
クロスとポリッシュ
ギターメーカーのモーリスとFREEDOM CUSTOM RESEARCHのクロスです。
不思議なもので、ギターは演奏したあとにしっかりと拭いてあげることによって、愛着が湧き、次にギターを弾くのが楽しみになります。
ギターは生き物なので、大切に扱ってあげるためにもクロスとポリッシュは持っておいたほうが良いでしょう。
初期投資は少し高くなるけど、賢い買い方のほうが損をしません
さいごに、ぼくが初心者にオススメのギターなどを一気に紹介しました。
価格は初心者セットよりも高くなってしまいますが、どれも長く使っていける間違いないものを選択したので、先を見据えた賢い買い物になると思います。
音楽を一つの趣味とするためには良い出費になるはずですし、何より安いギターを購入するよりも楽しさは何倍にも膨らむ事は間違いありません。
ぜひ、ギターを通して音楽を楽しむ生活に一歩踏み出してみてくださいね!
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